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HOME > 52.髪の相

髪(髪と毛)を論ず

・髪の毛が太い者は腎血が弱い。子に縁が薄い。短命である。

・髪の毛が細い者は腎血が強い。長命である。内心が豊かである。

・老いているにも関わらず額の髪が厚い(=禿げあがっていない)者は、家(≒家業、家庭)を駄目にするか破産する。運が悪い。

・若年にも関わらず白髪が生えている者は、子に縁が薄い。子がいたとしても頼りにならない。

・髭(ひげ)が赤い者は、その当時は辛労が多い。病人の場合は判断しない。

・髭の先が曲がっている者も同上である。諸事が安定し難い。

・髪と髭は草木に応じる。つまり、血は苗であり、心を司る。心腎の要(かなめ)である。また、陰陽であり、父母、血脈に属す。ゆえに、子孫の有無、心・腎の強弱を司る。
*髪は、現代では毛髪の事のみを指すが、ここでは大地に繁茂する草木の様子を人体の毛になぞらえ、「髪=草木」としている。また、古代では「毛=血(けつ)の余り」とされたため、毛の状態が中庸でない者は、腎に異常があると考えた。
*腎…ここでは、現代医学的な腎臓とは若干異なる。古代、五臓六腑における腎の事である。また、現代でも肝心を肝腎と書くように、心と腎の関係は深い。さらに、心は五行では火(=陽極)、腎は水(=陰極)であり、表裏の関係にある。また、心(しん)は神(しん、≒君主)に通じ、腎は臣に通じる。つまり、心は五臓六腑における中心的な臓(≒神、君主)であり、腎は他の臓に随う最下位の臓(≒臣下)であると捉える事も出来る。現代医学的に考えた場合、心は心臓、腎は腎臓であるが、心臓は血液を全身に送り出し諸臓器・組織を潤す臓器、腎臓は血液を最終的に濾過し尿に変換させる臓器、という二点を踏まえると、この二つの臓器が血液の処理という点で、陰陽の関係にあることが理解出来る。