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シンスプリントも、足底腱膜炎も、アキレス腱痛も、かかとの痛みも、リスフラン関節痛も、治らずに諦めている方が少なくないようです。スポーツ外傷専門をうたう病院や鍼灸院でも完治しないケースがよくみられるようです。とにかく、専門家を自称していながら、使いすぎないように注意しろだとか、使いすぎて痛みが出たら安静にして冷やせとか、付け焼刃的な対処しか教えてくれないことが珍しくないようです。終いにはスポーツを止めろ、止めないと治らないぞ、などと脅されることもあるそうです。それらは治さぬゆえに「治療」とは呼べぬシロモノであります。当院ではツボに囚われぬ、科学的で、極々単純な思考法に基づく施術によって早期に完治または短期間で改善させています。当院においては中高生で、骨の異常や靭帯の局所的な断裂など、器質的な異常が見られなければ、通常は3回程度の施術で完治します。

まず、シンスプリントですが、これは後脛骨筋や長趾屈筋、長母指屈筋が硬くなっているだけのケースが多いですので、そこへ刺鍼してやれば治ります。しかし、適切な長さと太さの鍼を刺さなければ治りませんので、最近流行りのユルい鍼治療では治らないでしょう。

足底腱膜炎も比較的簡単です。これもシンスプリントと同様、ポイントとなる筋肉へ刺鍼すれば治ります。しかし、足底部への刺鍼も併用するため、治療はかなり痛いです。大人でも痛すぎて泣く人がいます。ちなみに、足底腱膜炎を足底筋膜炎などと言っている鍼灸師がいるようですが、足底筋は膝裏の筋肉です。これらの基本的な解剖用語を混同しているような鍼灸師には、近寄らない方が良いかもしれません。リスフラン関節痛も、前距腓靭帯付近を損傷している内反捻挫と同様、比較的簡単に治せます。

アキレス腱痛(かかと痛)は下腿三頭筋へ刺鍼すれば完治するケースがほとんどです。しかし、これも適切な長さの鍼を刺さないと効きません。刺し方にもコツがあります。競技中などにアキレス腱を断裂させてしまう選手がいますが、これは日常的に下腿三頭筋を使い過ぎていて、筋肉が慢性的な硬縮を抱えていたがゆえに、ちょっとした荷重でも筋肉のクッション機能が作動せずに、腱が切れてしまうのです。本来、筋肉は衝撃を吸収したり、分散させる作用がありますが、普段から筋肉が凝っていると、その作用が無用になるため、直接、筋膜の延長である腱や関節、骨に負担がいってしまうだけのことです。ゆえに、特に凝りやすい選手などは、鍼で凝りをほぐしておかないと、試合中にブチっと逝ってしまう可能性があります。ちなみに、腓腹筋は硬いほど、刺鍼後の痛みが強く長引くことがあります。腓腹筋の状態によっては、刺鍼後3週間ほど、痛みやだるさが引かない場合がありますが、通常は週1回の施術を3回ほど続けると、徐々に刺鍼後の違和感が少なくなり、本来あった腓腹筋のコリや痛み、こむら返り、かかとの痛みが消えるようになります。しかし、過去に腓腹筋の肉離れや筋断裂をひどく起こしている場合は筋肉が瘢痕化していることが稀にあり、針をしてもコリが完全に取り除けないケースもあります。

モートン病は整形外科医でも知らない人が少なくないようです。モートン病は第3-4足趾間の痺れや疼痛、灼熱痛などが出る病態で、ハイヒールを履く時間が長かったり、つま先に負担がかかるような姿勢を長時間続けていると、発症することが多いようです。まずは、それらの悪しき習慣を止めるか軽減させないといけません。あとは病院で足底挿板などを用いた保存的治療、患部の安静が必要です。しかし、モートン病は罹患期間が長いと、多くの場合、腰痛や股関節痛も抱えているため、これらの原因となる筋肉を刺鍼でゆるめておく必要があります。
 
股関節を構成している中殿筋、小殿筋には、片足立ちになった時、体重の4~5倍の荷重がかかると言われています。例えば体重が100kgの人であれば、歩く時であっても、最悪500kg程度の荷重が股関節にかかることになります。実際に某芸能人は片足で靴下を履こうとして下肢を骨折したそうです。ゆえに、股関節の筋肉は罹患期間が長ければ長いほど硬化、萎縮しており、鍼治療をしたとしても治癒までかなり時間を要します。だいたい、週1~2回の治療で数か月以上かかることもあります。特に太っている人は痩せないとすぐに再発することがあります。
 
股関節の治療をする場合、殿筋に1本50~100円の特注針を片側20~30本ほど打つため、コスト的にも通常の治療よりお金がかかります。しかし、放置しておくと医者にチタン製の人工股関節の移植手術を勧められるような状態になりかねませんから、股関節へ張力を発生させている小殿筋、中臀筋、大腰筋、腸骨筋をゆるめることこそが根本的な治療になります。腰痛や股関節痛が重症の患者は裏表で2コマずつ治療する必要があるため、とにかく改善するまでにかなり時間がかかります。運動不足の場合は、ウォーキングや水中歩行などの有酸素運動もリハビリ的に取り入れていかないといけませんから、かなりの根気を要します。

大腿直筋炎や大腿内転筋付着部炎もモートン病と同じような治療をします。これもやはり太っている場合や、日常的に腰や下肢に負担がかかる仕事やスポーツをしている患者の場合、治療にかなりの時間を要しますが、軽度であれば数回の刺鍼で完治するか軽快します。

 
疫学:スポーツなどで過度に足関節運動をすることなどにより、アキレス腱やその周囲に腫脹や圧痛、運動時痛を認める。
原因:過度の足関節運動、下腿三頭筋の異常収縮など。
注意点:炎症が長期にわたると、アキレス腱断裂に至るという症例が報告されている。
一般的な治療法:局所安静、固定術、保存療法など。
当院の治療法:当院では比較的簡単に治せる病態の1つです。下腿三頭筋を中心に刺鍼します。ハムストリングスや長母指屈筋、長趾屈筋、後脛骨筋、足底筋などにも疼痛や圧痛があれば刺鍼します。通常、1~3回の刺鍼で痛みが軽減するか消失します。筋肉のコリがひどい場合は太い特注針(1本50円)で刺鍼します。特注針で刺鍼した場合、施術後1~2週間ほど刺鍼のダメージが残り、一時的に歩きにくくなる可能性があります。しかし、着地やジャンプ動作が出来なかったような患者であっても、この治療を数回繰り返すと、運動できるようになることが多いです。施術後は弾性包帯やレッグウォーマー、保温サポーターなどで下腿三頭筋を温め、血流の循環を良くしておくと、治りが早くなります。また、完治した後も、定期的に刺鍼してコリをためないようにしたり、運動前のウォーミングアップ、運動後のマッサージなどを徹底していれば、再発を予防することが可能です。下腿三頭筋にコリがたまり過ぎた状態で無理に運動した場合、アキレス腱が断裂する可能性がありますから、一度アキレス腱に炎症を起こした経験がある患者は、特に用心しておく必要があります。

 

疫学:運動時など、関節部に外力が加わり、非生理的な運動を強制された時に生じる関節包、靭帯などの関節支持組織の損傷。一般的に、足関節のように関節運動範囲の小さい関節は捻挫を起こしやすい。逆に、肩甲上腕関節のように可動域の大きい関節は脱臼を起こしやすい。内反捻挫においては、前距腓靭帯に断裂が認められることがあるが、通常、関節面の相互関係は正常に保たれている。関節にストレスを加えると疼痛は増悪するが、異常可動性や、X線上の異常は見られない。
原因:スポーツや歩行時の不意な非生理的運動による。
注意点:X線で骨折・靭帯損傷の有無を確認すること。
一般的な治療法:受傷直後はRICE処置、固定術、手術など。
当院の治療法:まずは病院で受診し、骨折や靭帯損傷がないかを調べましょう。ちなみに、たまに勘違いしている患者がいますが、整骨院は病院ではありません。X線で器質的異常がないと診断された後、当院で施術すれば、早ければ痛みは翌日に消失しています。もし、腫れが酷かったり、内出血や損傷部位が広い場合は、3~5回ほど刺鍼しないと痛みがとれないケースもあります。1発で治るという口コミを聞いた学生が、「明日どうしても出なければならない試合があるから、何とかして下さい」と、懇願してくることがありますが、可能であれば、刺鍼後に痛みが消えても、2~3週間くらいは運動を控えた方が良いです。何故なら、損傷した部位が軽度であっても、完全に修復されるまで、ある程度の時間を要するからです。どうしても出場しなければならない大事な試合でしたら、刺鍼後、腫れが引いたら保温サポーターで足首を軽く保護し、試合前になったらテーピングで固定しておくのがベストです。テーピング固定の仕方については、ニチバン(バトルウィン)のHPが参考になると思います。
 

疫学:過度な衝撃により、足底腱膜に炎症が生じ、踵の前方または中央に疼痛が見られる病態。
原因:マラソン、ジョギング、長時間の立ち仕事、足底腱膜や下腿三頭筋の柔軟性低下、筋力不足、扁平足、着地の悪い靴、悪路での長時間歩行など。
一般的な治療法:安静指導、薬物療法、靴中敷きの特注、体外衝撃波療法など。
当院の治療法:当院では比較的簡単に治せる部類の病態です。主には足底腱膜と下肢屈筋群、疼痛部に刺鍼するだけで炎症がおさまり、痛みが徐々にひいてきます。通常3~5回程度の施術で血流が改善し、筋肉の柔軟性が戻り、再発しにくくなります。下肢屈筋が使い過ぎや疲労などで凝っていると、着地時の衝撃が直接足底腱膜へ伝わりますから、次第に炎症が起こり、疼痛が誘発されるようになります。副作用なく血液循環を正常化させ、筋肉の柔軟性を回復させるという点に関しては、やはり現時点では針治療が最良であると思われます。鍼治療の難点としては、刺鍼時に多少なりとも痛みがあり、施術後も1~2日ほど筋肉痛のようなダルさが残ることがあるという点です。