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ストレス性疼痛について

 
 

これまで、痛みの専門外来と言えばペインクリニックが主流でしたが、近年はファシア(特に筋膜)に



例えば、ストレス性疼痛の最たるものと言えば、線維筋痛症(FM)の病因を中枢か末梢かで区分すると、中枢(脳の機能異常)にあることは異論がない。実際、FM患者の抹消神経、筋、腱などには病理学的異常が認められないとされ、痛みのブレーキとなる下行性疼痛抑制系の異常であることが指摘されている。また、この経路には脳内モノアミンであるセロトニンとノルアドレナリン双方の低下が関与している。過去に脳に何らかの強い痛みが働いた場合、脳がその痛みを記憶するが、その後も継続的にそのような痛みがあると、中枢感作を介して脳内で痛み刺激が累積してゆく「wind up」という状態が起こり、最終的には痛覚過敏の極限状態であるアロディニアという状態(風が吹いただけでも痛むような状態)に至る。ちなみにこのアロディニアはFM以外にも慢性疲労症候群(CFS)や顎関節症、舌痛症、歯痛症、原発性月経困難症などにもみられるケースがある。『痛みのバイオマーカーとしての機能的脳画像診断法(倉田二郎編,2020年,真興交易医書出版部)』によれば、FMは大脳辺縁系の中で、特に帯状回に主たる責任病巣があることが、動物モデルやヒトのPET画像によって、近未来に明らかになることが予想されている。