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東京発-島根行(島根へ出張の巻)

*島根に行くまでに撮った写真のデータを誤って消してしまったので、参考画像でお楽しみ下さい。
 


2010年6月某日:今日は暇をみてバイクを整備する。島根まで約850キロ、バイクで行く予定なので、しっかりと整備をしておかないと危険である。とりあえず、オイル交換、マフラー交換する。中古で買ったCBR用ヤマモトレーシング製マフラーを自分で分解し、加工してつけていたので、元々つけていたヤマモトレーシングフルエキに戻す。作業は慣れているので、30分くらいで終える。ついでにオイル交換。マフラーはジョイント部に少し隙間があったので、パテ埋め後にクロガネヤで買ったダクト用耐熱テープ(バンテージタイプ)で隙間を埋める。今日は治療院が暇だったので、プラグ交換と同調とろうかと思うが、蚊が多いのでやめる。まぁ、同調はエンジンかけっぱなしでないと出来ないので近所迷惑になる。来週あたり、多摩川でやろうかな。洗車場も近いし。
 
2010年6月某日:フロントフォークからオイルがちゃぷちゃぷ漏れているのを発見する。ああ、島根行く途中でなくて良かった。今不具合が出るとはありがたや。ブッシュガイドが割れたのだろうか。フォークだけは、20000キロはメンテナンスしてないから寿命だろうな。島根に行くまで暇がないのでバイク屋にオーバーホールを頼む。近隣の2店舗で見積もりしてもらう。東八のバイク屋では3.5諭吉だったが、南大沢のバイク屋では2.5諭吉だった。店員と会話した感じでは、メカニックの技術に大差はなさそうなので、安い方で修理を頼む。ある程度、自分でいじっていると、話を聞けば上巧なのか下巧なのか、判別がつく。まぁ、人相をみれば一瞬でわかるが。スズキに部品があったので2日で届くとのこと。しかし、バイクは半日預けなければダメで、さらに代車が全て出払っているとのことで、暇な時間をどう過ごそうか思案する。
 
2010年6月某日:今日は引っ越しの荷物をまとめた。小段ボールで15箱、あとはギターと26型液晶テレビ、工具箱。ちなみに、段ボールの中身の大半は本である。倉庫にはあと40箱くらいの本があるが、さすがに全部はもって行けないので、絞る。相術関連や野口晴哉関連の資料は島根でまとめないといけないので、取りこぼさないように箱に詰める。これだけでも4箱くらいはある。生活必需品は島根の治療所兼マンションにおいてあるので、荷物は最小限にする。日通とヤマトの単身パックで比較して、日通が安くて良さそうなので日通に決める。倉庫にあった中華製HIDも出しておく。半年前くらいに自分で加工してつけた中華製HID(たったの4博文)はまだ問題がないが、島根までの道中に故障するといけんので、予備をバイクに積んで行かねばならぬ。地方の高速では、明かりがなく、反射板のみの、真っ暗な道も多いから、HIDが突然死したら危険である。なので、必要最小限の工具と部品をバイクに積み込む。ちなみに、数年前からバイク用のHIDが多数売り出されているが、現状でもキットだけで5諭吉くらいはする。しかも、「バーナーは取り付ける際に壊れやすいので、工賃は3諭吉頂きます」などというバイク屋が多い。つまり、バイクにHIDをつけるのには現状でも8諭吉くらいはかかってしまう。そういうわけで、私はヤフオクで4博文の中華製HIDを購入して、配線などを少し加工して、自分で取り付けたので最終的に5博文くらいの出費で済んだ。取り付けて半年以上になるが、今のところ不具合は無い。万が一に備えて予備も買ってあるし。バイクの長旅ではプラグ、ライトのバルブ(HIDのバーナー)、ウインカーのバルブ、パンク修理キット、養生テープ、ハンドライト、その他工具などが必須である。

 
2010年6月某日 今日は異様に暑い。室内の温度計が30度を指している。鍼灸の古典「霊枢」には、慢性病は夏に治すのが良い云々、と書いてあったから、鍼灸をやるには良い季節であろう。しかし、いかんせん虫が増えるのと、蒸し暑いのと、食物が腐り易い季節でもあるので、複雑な気持ちになる。先日、島根県出雲市大社町出身の友人(まさっち)に聞いた話では、島根は虫が多いらしい。まぁ、当然、山林に囲まれていれば虫は多かろうが、少し萎える。島根の北京堂はマンションの6階にあるし、今まで蓄えてきた知恵を爆発させれば、虫のいない室内環境を維持できるかもしれないが…。とにかく、私は虫が苦手である。島根の夏は蒸し暑くなく、カラッとしているらしい(実際は違ったが)。今まで、東京と千葉にしか住んだことがないから、何気に楽しみである。海水浴が気持ち良いだろうなぁ。でも、クラゲとサメも怖い。
 

2010年6月26日 今日はバイクのフロントフォークをオーバーホール(分解・修理)する日である。雨が心配だったが、なんとか雨に降られずバイク屋(2りんかん)に着く。10時30分の開店と同時に予約していたので、10時前に家を出る。レジで予約の確認をして、大体3時間くらいはかかるとのことで、暇な時間をどうしようか考える。店員が「南大沢駅までのバスチケットをお渡し出来ますよ。」というので、とりあえずそうすることにする。そのバイク屋の店頭には大きめのコインロッカーがあるので非常に便利である。荷物になるヘルメット、ジャケット、グローブを入れて、バス停に向かう。京王バスに乗るのは久しぶりである。昼前くらいの時間帯は比較的車内も空いていて、窓から流れる景色を眺めるのは中々楽しい。
 

数分で終点の南大沢駅に着く。今日は土曜日だからか、非常に人出が多い。とりあえず、ヨーカドーに入って、買い物する。職業柄、整骨院や鍼灸院、マッサージ店があると、覗くようにしている。ヨーカドーにも整骨院が入っているので、とりあえず覗いてみる。店頭にあるメニューに一通り目を通す。何故か、整骨院では業にしてはならないメニューが載っている。例えるならば、ラーメン屋が食券販売機でJRAの馬券を売っているような感じである。この件については、今のご時世、それほど珍しい事ではないので、何もなかったかのように店を去る。特に、駅前でみたいお店もないので、とりあえずバス停に向かう。何故か昼間からバス停のベンチに横になって、死んだように寝ている人がいる。胸郭が上下しているから、あの世には行ってないようだ。バスがすぐ来たので、適当な席に座る。バイク屋に戻ると、まだ作業中であった。中古で買った時のバイク屋(S玉県蕨市にあるバイク店のS○X。購入時すでに整備不良があり、納車時にガス漏れして死にそうになる。)が一度インナーチューブを交換したのだが、その時の部品の組み付けが滅茶苦茶で、外すのに手間取っているようである。やはり、出来る事なら整備は自分でやるのが安心だ。前に某バイク屋でシール交換した時も、フロントのアクスルシャフトのボルトが弛んでいたことがあった。ボルトが外れたらホイールが外れるわけで、死に至る事故を起こす可能性が非常に大きい。アナオソロシ。したがって、基本的に私は、整備は自分でやるようにしている。5時間くらいたって、やっと納車となる。今回はインナーチューブに凹み傷があって、メカには「交換しないと駄目ですね。」と言われたが「何とか研磨してみて下さい。」とお願いしていた。時間はかかったが、メカの腕が非常に良かったので、研磨でいけた。若干傷は残っていたが、ストロークしても全く問題ない。ああ、腕の良いメカに出会えて良かった。インナーチューブを交換すると左右で5万前後はかかるので非常にイタイ。これで無事島根に行けそうである。
 

2010年6月27日 今日は午前中に日通が荷物の引き取りに来る。時間通りにトラックがやって来て、疲労困憊した感じのおっちゃんが「宜しくお願いします。」と挨拶をする。小段ボールで25箱くらい、あとはギターと26型液晶テレビ、でかい工具箱、プラ製の衣装ケース4つ、love psychedelicoの額入りポスター(渋谷のdelico cafeで貼られていた貴重なポスター。デザインは私の大好きなbpd。)が1つ。単身パックLサイズだったので、多分入りきらないだろうと予想していたが、空間把握能力に長けたスタッフだったようで、ギリギリ収まる。治療院は13時までの予約はほぼいっぱいで、15時からは講習会があるので全く暇が無い。今日は講習会最終日である。受講生はみな素晴らしい人ばかりで、北京堂式の鍼をお教えすることが出来て本当に良かったと思う。ちなみに、今日は私の勤務最終日でもある。師匠にお礼を言って、三鷹をあとにする。
 

2010年6月28日 今日は違反者講習のため、府中の試験場に行く。違反者講習は簡単に言えば、軽微な違反(2点以下)の違反で6点に達した者が受ける講習である。この講習を受けると6点が免除され、30日の免許停止処分も免れることが出来る。私の場合は踏切不停止、通行禁止、進路変更禁止などで累積点数が6点に達した。思えばアホな違反ばかりであるが、トンズラするわけにもいかないので10250円を払って講習を受ける。8時半集合で、9時頃に座学が始まる。
 

11時頃からは20名ほどがマイクロバスに同乗し、大国魂神社まで行く。その後、1時間ほど神社の前の交差点で「交通安全」と書かれたウエットティッシュを配ったり、横断歩道で「横断中」と書かれた旗を上げたり下げたりする何気に恥ずかしい。12時頃には試験場に戻り、休憩となる。食堂で休憩しようかと考えるが、異様に混んでいるのでやめる。とりあえず売店で買ったカロリーメイトチーズ味を食べて、試験場内に常駐している献血バスへ向かう。朝食、昼食はほとんど食べていないが、10時頃食べました、とテキトーに言って献血をする。自分の身体の状態はしっかりと把握しているので、血糖値が低かろうが、血圧が低かろうが、400mlくらい血を抜かれても平気である。午後は13~16時まで座学がある。道交法改正で、色々な禁止事項が増えたのを知る。例えば、片側2車線の高速道路でほとんど走行車が無い場合、右レーンを単独で走ると違反になる。つまり、車もバイクのようにキープレフト厳守になったらしい。また、追い越しをする場合は、前車との車間距離を30m以上空けてからでないと違反になるらしい。とりあえず、島根に行く前に知識がついて良かった。夜は生麦で開業されている馬場先生と品川で飲む。私は酒はやめたので、グレープフルーツジュースを注文する。馬場先生から独立祝い品を頂く。
 

2010年6月30日 今日は出発日である。午前中はバイクのプラグ交換、チェーンの清掃・グリスアップを行う。昼は島根に持っていくお土産を高幡不動尊最寄りの駅前商店街で購入し、その後稲城の温泉(季乃彩(ときのいろどり))に行く。関東ローム層特有のヌルリとした茶褐色の湯で、私のお気に入りの温泉である。東京では珍しい源泉かけ流しで、温泉屋には貴重な水風呂もあるので、温泉を使った温冷浴が可能である。温泉屋の目の前にある稲城市立中央図書館で借りていた本を返す。明るいうちに氏神様へお参り、親父の墓参りに行き、出発準備をする。
 

2010年7月1日 日付変更と同時くらいに出発する。夕方には、北京堂兄弟子が院長の二天堂(にてんどう)に行くので、余裕をもって出発する。東名東京インター(始点)から名神西宮インター(終点)までで、大体450キロくらいである。途中、名神の多賀サービスエリア(全国でも珍しいハイウェイホテル併設)に風呂屋があるから、そこに午前中につけば上々である。風呂に入って、休憩所で仮眠するのである。ホテルが併設しているのだが、15時のチェックインなので、午前中に泊まることは出来ない。したがって、735円払って、休憩所で仮眠するのが効率的で良い。車なら車内で眠れるのだが、バイクはどこかで休まないとキツイ。出発から約2時間でAM3時過ぎ、富士川SA(ふじかわSA)に到着する。走行距離約130キロ。空はまだ暗く、曇っているので富士山はみえない。とりあえず給油する。ガススタンドのおっちゃんに「どちらまで行かれるんですか?」と聞かれ「島根です(゜-゜;)」と答えると「気が遠くなりますね(゜-゜)」と言われる。確かに気が遠くなる。しかもまだ1/8しか走っていない。その後、日本坂トンネルで結構なスピードを出す。雨が降りそうなのでつい急いでしまう。日本坂SAで休もうと左折レーンに入ってすぐ、後方から猛スピードで追い上げてくる覆面パトカーがミラーに映る。ふー(゜-゜;)、危なく一発○○になるとこだった。牧之原SA(まきのはらSA)手前から物凄い渋滞になる。事故渋滞らしく全く動かない。しばらく行くと、大型トレーラが路側帯に突っ込んでる。単独事故である。覆面1台、パトカー3台あり。さっき急いでたパトカーはこれだったと納得。事故をみるたびに気を引き締めて運転しなければならぬと思う。特に明け方と「逢魔が時」、いわゆる表鬼門(艮の時間≒陽の生門)と裏鬼門(坤の時間≒陰の生門)の時間滞は集中力も落ちやすく、統計でも事故が多い時間なので気をつけないと危ない。日の予報では雨らしいが、なんとか濡れずに浜名湖SA(はまなこSA)に着く。もう空も白けてきて、サービスエリアでは雀が鳴いている。とりあえず、軽く朝食を取る。
 

予定通り、10時頃に多賀SAに到着する。しかし異様に蒸し暑い。お土産が腐りそうなので風呂屋に、お風呂セットと一緒にお土産を持っていく。風呂は銭湯な風情である。そんなに広くはない。一応、綺麗には保たれているが、湯船の湯の循環があまり活発ではないので、湯船に入る気がしない。とりあえず、さっと身体を洗って出る。休憩所はかなり広い。30畳以上はありそうな部屋である。旅館の宴会場みたいな感じで、清潔な絨毯の上に、1人専用のマットレスが40個くらい置いてある。シーツも敷いてあり、フロントで毛布をレンタル出来る。マットレスの横は仕切り板があるので、隣人もあまり気にならない。休憩所は先客が3人しかいないのでほぼ貸切状態である。SAにもっとこういう施設が増えればドライバーの負担も減り、睡眠不足や過労による事故も減るだろう。まあ、いつも後部座席でVIP扱いされている国会のセンセイ方には想像出来ぬだろうが。外の工事の音が酷いが、何とか2時間ほど仮眠する。12時過ぎに出発して、14時頃には名神高速終点の西宮に着く。料金所のおっさんが何故か阪神タイガースのユニフォームを着ている。「東京発」と印字されたチケットを渡すと、大げさに驚いた素ぶりをみせる。大阪あたりから蒸し暑さに拍車がかかり、ものすごく汗をかいたので、また風呂屋を探す。迷いながらも、住宅街に潜む温泉(森温泉)を見つける。午後は14時からの営業なので、駐車場の日陰をみつけてしばらく休む。施設内は比較的綺麗なのだが、ダスキンで働いていたせいか、隅のホコリが気になる。うーむ、イマイチ清掃が行き届いてないな。温泉だと看板に書いてあったが、実際は人工温泉らしい。でも総合的にみて、中々良い風呂屋であった。16時頃、二天堂に行く。その後院長と飲み屋に行き、食事ついでに色々お話を伺う。アイデア豊富なお方なので色々勉強になる。別れ際に「ホームページみたけど、どんな変人が来るかと思ったよ。」と言われる。確かに私はある部分では変人であるが、変態では無いことは理解してもらえたようである。夜は院長の好意で、治療院に泊めて頂けることになっていたので、鍵を預かり、駅で別れる。治療院までの帰り道、六甲山から流れる川の横を歩いていたのだが、川にイノシシが2頭いて驚く。犬の散歩をしている綺麗なお姉さん「あれは何ですか(*゜-゜*)」と聞く。「イノシシです(゜-゜;)」「天然ですか(*゜-゜*)」「そうです。天然です(゜-゜;)」と有意義な会話をする。神戸は震災後に目覚ましい復興を遂げ、現在では非常に魅力的な街になっている。とにかく、気持ちの良い街である。山の手あたりの雰囲気は渋谷のスペイン坂に近い感じで、おしゃれである。
 

2010年7月2日
まだ夜が明けきらぬうちに神戸を去る。六甲トンネルをくぐって、中国道に入る。途中パラパラと雨が降るが、何とか兵庫を通過する。兵庫は盆地にあるのだが、非常に山並みが美しい。日本の原風景をみたかのような感覚におちいる。走行車はほとんどいないので、路肩にバイクを停めて、何枚か写真を撮る。とにかく、川、街、山のマッチングが黄金比率で調和しているように感じるくらい美しい。風景にしばしみとれて、わき見運転する。岡山に入ったあたりで、日本の某メーカー(H社)の人気小型車が自爆しているのをみかける。すでに警察が来ている。車はオフセット衝突して、フロントが大破しているのに、何故かエアバックが出ていない。岡山に入るとトンネルの数が増えてくる。全長2キロのトンネルもザラで、山ばかりの風景がずっと続く。
 

蒜山高原SA(ひるぜんSA)で少し休憩。SAおすすめの「蒜山のもてなしヨーグルト」をお土産に購入する。SAでは昼ごはんに蕎麦を食べて、すぐに出発する。天気も変わりやすいだろうなと思っている矢先、スコールのような雨に降られる。さらに、濃霧も重なって、ほとんど前がみえない。それでも何とか走行を続け、鳥取県に入る。「鳥取県」と書かれた看板には水木しげる先生おなじみのキャラが描かれていた。鳥取に入ると、それまでの雨がウソのように、晴天が広がる。気温も高いので、濡れたパンツもすぐに乾く。なんだかんだで、あっという間に島根に着く。走行距離は約850キロ、休み休み走ったので15時間くらいかかった。毎日温冷浴をしていたせいか、ほとんど疲れなかった。短時間睡眠ですぐに回復するのはやはり温冷浴の恩恵だろう。バイクで遠出する時は温冷浴などで体調を整えてから出発するのが吉。なぜなら、バイクでの旅行は「行きはヨイヨイ、帰りはツライ」のがほとんどだからである。